嵯峨乃やの思い

「衣」の文化を大切にする提案をいたします

日本の伝統である着物を「衣」の文化と考えます。

日本人的な発想かもしれませんが、着物を着る、着ないにかかわらず、多くの方は、着物を美しい状態でおいておきたいのではないだろうか、と思います。

着物を着る機会はないのだけれど着物をおいておきたい、手放せない、と、そういう方々が多いのではないかと思います。それは、高価な着物は、両親からいただいたり、誰かからの贈り物であったり、手放すと申し訳ないと思われているのかもしれません。

そんな日本人の伝統とも言うべき、「衣」を大切にする日本人の心を大切にしたいと思っています。

日本の伝統である着物は、大変高価なものです。着物を作る工程を考えても、たくさんの人の手が掛かり、職人と呼ばれる人達が、長年鍛え上げた技術を持って、すばらしい「衣」を作りあげます。そして、本当に素敵な衣装になって、世に出回ります。

が、その反面、高価になってしまいます。昔は、普段着だったはずなのに…。

そのように高価な着物をクリーニング(丸洗い)すると、やはり大変高価になります。普段着慣れている洋服と比べると、確かに、高価です。私どもも心苦しい思いでいっぱいです。高価なものだからこそ、丁寧に、技術をもって、取り扱いさせていただいています。

では、クリーニング(洗い)は、着るたびにしなければならないのか、という問題です。着物も高い、一人では着れないから人を頼むと着付けもお金がかかる、追い打ちをかけるように片付けに高価なクリーニング代、となると、着物文化からどんどん遠ざかっていきそうです。そこで、つたない経験から考えてみました。着物の保管ということです。

シミがついた着物を何度も見てきましたが、多くはカビです。長年、着物の中で繁殖したカビです。カビは、簡単には取れません。カビシミが取れなくて、申し訳ないと頭を下げたお客様も何人もあります。私もプロとして、嫌な思いをしましたが、もっと嫌な思いをされているのはお客様です。

カビだけを見ると、こうなりますが、総じて着物を適切に保管ができれば、継続保管維持費は下がり、きれいなままで着物を持っていられるということです。

結論すれば、着物を片付ける(何年も着ない可能性がある)ときは、クリーニング(洗い)をして、汗や脂などを落として、憂いをなくすことがベストであると考えます。

「嵯峨乃や」は、素敵な女性の着物ライフを応援いたします。

お客様のご要望に応じて、着物をよりきれいに、気持ちよく保管いただいたり、次回の着用機会に備えたり、また、形を変えて、衣類としてのあるべき姿に変えたりと、ニーズに合ったご提案をいたします。

美しい着物が媒体になって、楽しい生活を送っていただくことが、私の喜びです。

 

嵯峨乃や  大森將人